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建設業許可の更新は5年に一度!必要書類や注意点とは?

建設業許可は5年に1度の更新!必要書類や注意点

建設業許可は5年に一度の更新が必要です。

更新手続きを失念すると許可が失効し、事業に大きな支障が発生します。更新手続きのタイミングは厳格に定められており、忘れないようにしなければなりません。

今回は、重要な建設業許可の更新手続きについて解説します。手続きを忘れない方法や必要書類等をご紹介します。

この記事で分かること
  • 5年一度の更新時に必要な手続きをしていないと許可が失効する
  • 必要な書類は許可行政庁によって異なる
  • スケジュールの管理は行政書士が行ってくれる

ぜひ最後までご覧ください。

目次

建設業許可は5年に1度の更新が必要

建設業許可変更の手引き

建設業許可の更新は、手続きのタイミングとスケジュールの管理が重要です。

  • 更新の申請手続きは期間満了の30日前まで
  • 更新期限のお知らせ葉書が来てからでは遅いことも
  • 行政書士に更新手続きのタイミングを管理してもらう

許可を失効させないためにも詳しく見ていきましょう。

更新の申請手続きは期間満了の30日前まで

建設業許可がおりた日、もしくは更新日を起算日として5年間が許可の有効期間となっています。

すべての建設業許可業者は、この期間の満了する日の30日前までに許可の更新申請を行わなくてはなりません。

例えば、5年前の10月1日が許可日である場合は、今年の9月1日までに申請をする必要があります。

しかし、9月1日が日曜日であった場合は、8月30日金曜日までに申請をしなければなりません。

役所は、土日祝日は開庁していませんので注意が必要です。

また、5年前の3月1日が許可日であった場合は、今年の1月31日もしくは1月30日までとなります。

「一か月前」までではなく、「30日前まで」となります。

この30日を過ぎてしまったら更新ができなくなる、というわけではありません。

役所が更新申請の処理をするのに約30日ほどかかるので、申請期限をこのように設定しているのです。

ただし、30日を切ってしまった場合は、新しい許可証の発行が更新日に間に合わなくなることがあります。

期日までに更新申請さえ完了させておけば、更新日から許可証発行までの期間は無許可期間にはなりません。

「従前の許可証」と「受理印のある更新申請書」があれば許可更新申請中とされ、従前の許可が継続しているという扱いになります。

取引先から更新後の許可証の提出を求められている場合は、この二つの書類を提出すれば大丈夫です。

また、更新の書類はすぐに準備できるものではありません。申請書の作成には時間を要しますので、スケジュールをしっかりと管理しておきましょう。

申請受付開始日は90日前が基本

更新申請ができる期間も決まっており、基本的には更新日の90日前からとなっています。

ただし、東京都は2か月前からとなっており、許可行政庁によって異なります。

更新の受付日を決めているのは、あまり早く申請をしてしまうと更新日の時点で建設業許可に関わる要件等が変わってしまうことがあるためです。

更新に併せて許可業種を追加したり、一般建設業から特定建設業に変えたりする場合は申請期間が異なります。

更新と一緒に般特新規を行う場合

特定建設業とは、4,500万円以上の工事を元請として請け、それを下請に出す場合に必要な許可の種類です。

許可取得時は一般建設業で事足りていた事業も、特定建設業で行う必要が出てくるかもしれません。

この時は「般特新規」という申請が必要になります。

般特新規の申請は、特定の要件を満たしていればいつでも行うことができますが、許可番号は変わらないものの新しく許可を取り直すといった考え方になります。

そして、般特新規をした業種については新しく許可証が発行されます。

般特新規の考え方は非常に複雑であり、会社の許可状況によっては業種追加申請に該当したり新規申請に該当したりもします。

また、更新申請と併せて般特新規申請を行うことで、許可日を一つにすることも可能です。

この場合は、申請期限が次のようになります。

知事許可であれば、基本的には半年前から申請ができ、90日前が申請期限となります。

東京都知事の場合は申請は2か月前からとなり、30日前までが期限となります。

大臣許可であれば、9か月前から6か月前までの間に更新申請と般特新規申請を一緒に行わなければなりません。

更新と一緒に業種追加を行う場合

許可を取得してからの5年間のうちに、他の業種が必要になることがあります。

この場合、「業種追加」と呼ばれる申請が必要です。

業種追加申請は、その専任技術者さえいればいつでも行うことができます。

業種追加をすると、同じ許可番号で期間の異なる許可が二つ存在する状態となります。許可証が二枚になるのです。

業種追加が急ぎではないのであれば、更新申請と併せて業種追加申請をすることをお勧めします。

一緒に申請をすることで、追加した業種を従前の許可期間とあわせることができます。

ただし、更新申請のみであれば更新日の30日前までに申請をすれば間に合いますが、業種追加も併せて行う場合は、申請期限が変わります。

知事許可であれば、基本的には6か月前から90日前までに申請を行う必要があります。

東京都知事の場合は2か月前から30日前までです。

大臣許可であれば9か月前から申請可能となり、6か月前までに更新申請と業種追加申請を同時に行わなければなりません。

このように処理にかなり長い期間が必要となりますので、計画的に申請をする必要が出てきます。

更新期限のお知らせ葉書が来てからでは遅いことも

更新時期が近づくと、約3か月前を目途に許可行政庁から更新のご案内が届きます。

また、許可情報は公開されているものですので、許可を扱う行政書士事務所から更新案内のDMが届くこともあります。  

この更新のご案内が来てから書類の準備をしても間に合う場合がほとんどです。

しかし、更新する際にはいくつかの条件があります。

例えば、毎年決算終了後に提出が求められている「決算報告書」の提出が滞りなく終わっている必要があります。

もし、一回も提出していなければ、更新申請前に5年分まとめて出さなくてはなりません。

短期間で決算書を5年分用意し、財務諸表を作る労力は相当なものです。

その他変更があった場合も、更新申請前までに変更届を提出し受理されていないと更新申請をすることができません。

場合によっては、更新手続きに間に合わないこともあります。

特定建設業である場合

特定建設業許可である場合は、直前決算にてその資産要件を満たしていなくてはなりません。

ハガキが来てから自社の決算をどうにかすることは不可能ですので、もし資産要件を満たしていないのであれば、更新申請ではなく一般建設業に変える申請となります。

この時、一般建設業許可も併せて持っている業者であれば、「業種追加申請」です。

特定しか持っていない業者であれば、一度「廃業」してから「新規申請」で一般建設業許可を取得しなければなりません。

この場合、無許可期間が発生します。

以上のように、更新のご案内が来てからでは遅いこともありますので普段から許可の要件には注意をしておく必要があるのです。

行政書士に更新手続きのタイミングを管理してもらう

専門の行政書士がいれば、上記のような複雑な申請や、手続きのタイミングの管理も任せることができます。

新規で許可を取得したときに担当した行政書士に、更新の手続きもしてもらうことがお勧めです。

このような行政書士であれば申請内容を熟知しているので、更新手続きをスムーズに行うことができます。

行政書士がいれば、何か許可要件に変更が生じた際にすぐに対応することができます。

また、更新申請時には前回の申請内容が必要な項目もありますので、新しい行政書士に頼むと余計に手間がかかることもあります。

自社の申請に慣れた行政書士がいれば、様々なリスクを減らすことができるでしょう。

建設業許可更新の必要書類

建設業許可の更新時に必要な書類は下記のものとなります。

  • 建設業許可申請書(様式第一号)
  • 申請書別紙一【役員等の一覧表】
  • 申請書別紙二【営業所一覧表】
  • 申請書別紙三【証紙貼付用紙】
  • 申請書別紙四【専任技術者一覧表】
  • 使用人数(様式第四号)
  • 誓約書(様式第六号)
  • 健康保険等の加入状況(様式第七号の三)
  • 営業の沿革(様式第二十号)
  • 所属建設業者団体(様式第二十号の二)
  • 主要取引金融機関名(様式第二十号の三)
  • 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第七号)
  • 常勤役員等の略歴書(様式第七号の二別紙二)
  • 専任技術者証明書(様式第八号)
  • 許可申請者の住所、生年月日当に関する調書(様式第十二号)
  • 身分証明書
  • 登記されていないことの証明書
  • 登記事項全部証明書【商業登記簿】
  • 役員及び専任技術者の住民票
  • 常勤役員等及び専任技術者の常勤性の確認資料【健康保険証】
  • 健康保険等の加入状況の確認資料

上記の書類は許可行政庁によって異なります。

例えば東京都知事許可であれば、このほかに独自の「表紙」や「役員等氏名一覧表」をつける必要があります。

また、書類を紐で綴じる所もあれば、ホチキスでとめる行政庁もあり、書類の綴じ方や並べ方にもローカルルールがあります。

建設業許可の更新手続き前に済ませておくべきこと

ビル

更新手続きをするには、事前に要件を満たさなければなりません。

決算変更届や各種変更届を行っていないと、手続きができないこともあります。

  • 決算変更届の提出
  • 変更届の提出
  • 経営業務の管理責任者と専任技術者の要件を確認
  • 社会保険への加入状況の確認

前もって、手続きを済ませておきましょう。

決算変更届の提出

建設業許可業者は、決算終了後4か月以内に「決算変更届」を提出しなければなりません。

この届出は、行政庁によって「事業年度終了届」や「決算終了届」とも言われます。

決算変更届とは、決算書を「財務諸表」として作成し、「工事経歴書」や「直前三年の各事業年度における工事施工価格」「納税証明書」などと一緒に提出をする届出です。

毎年しっかりと提出をしていればよいのですが、一度も提出をしていない場合は、許可更新時に5年分をまとめて提出しなければなりません。

また「納税証明書」については、三年を経過すると該当年度の納税証明書を取得することができなくなってしまいます。

「決算変更届」は、提出をしていないと更新できないだけではなく罰則の可能性もありますので、必ず毎年提出をするようにしてください。

変更届の提出

建設業許可業者は、その要件に関わる変更がある場合は、決まった期日内に「変更届」を出す必要があります。

30日以内に提出が必要なケース

  • 商号変更
  • 営業所の新設・廃止・業種追加・業種廃止
  • 役員の就任・退任
  • 代表者の交替

2週間以内に提出が必要なケース

  • 常勤役員等(経営業務の管理責任者)
  • 令3条使用人
  • 専任技術者
  • 健康保険等の加入状況

4か月以内に提出が必要なケース

  • 決算変更届

変更届は提出をし忘れることが多い書類です。

許可の要件に関わることですので、提出をしないと罰則の対象となることもあります。

役員の変更や本店所在地、商号変更などについては、登記を伴う変更となります。

登記完了してからではないと変更届の提出ができない場合もあります。

特に常勤役員等(経管)の変更に関しては、変更後2週間以内に変更届を提出しなければなりません。

しかし、役員の変更登記は早くても10日ほどかかる登記です。

新任役員が常勤役員等(経管)になる場合は要注意です。

この場合、許可行政庁にもよりますが、役員変更の記載のある「株主総会議事録の写し」などで受付してくれる場所もあります。

経営業務の管理責任者と専任技術者の要件を確認

建設業許可要件のうち、「常勤役員等(経管)」と「専任技術者」はとても重要なものです。

許可を取得している期間のうち、一日でも不在であると許可要件を満たさなくなります。

経管や専技は、変更があったことが確知できる時点より二週間以内に変更届を出すことが義務づけられている要件です。

5年間の間に変更があった場合、決められた期日までに正しく変更届を提出しておくことで、更新ができないといった事態を回避することができます。

もし許可要件に抵触する事態となってしまった場合、専門の行政書士であれば対応できる術を知っている可能性があります。

しっかりと対処できる行政書士を早めに見つけておくと安心です。

社会保険への加入状況の確認

建設業許可を取得するためには、会社が社会保険に加入していることが義務付けられています。

以前は社会保険に加入していなくても許可を取得することができました。

これが令和2年10月の法改正により、全ての許可業者が社会保険に加入していることが必要となりました。

ただし、個人事業所で常用雇用が5人未満の場合などは適用除外となっています。

更新日の時点で適正に社会保険に加入しているかどうかの確認が入りますので、対応できるようにしておきましょう。

建設業許可の更新を失念!期限切れ時の対応

気が付いたら更新の時期が過ぎていた。

または、更新日において許可要件を満たすことができなかった。

このような場合は建設業許可は失効となってしまいます。

新しく許可を取り直さなければなりません。

新規許可ですので許可番号も変わりますし、更新であれば50,000円の手数料が90,000円必要になってしまいます。

また、許可申請中は無許可期間となりますので、業務に大きい影響を及ぼすこととなるでしょう。

500万円以上の工事を請け負っている場合は、許可が取得できるまでその業務を行ってはいけません。

その間は、契約先に工期の変更を依頼するか、契約内容を税込500万円未満の複数契約に変更してもらうなどという対応が必要になります。

更新申請を失念してしまい更新日を過ぎてしまった場合は、いかなる理由があっても許可を存続させる方法はありません。

ただし大阪府のように、有効期限前に仮受付を行うという条件付きで、更新日より2週間の申請猶予期間を設けている都道府県もなかにはあります。

どこでもこの救済措置があるわけではありませんので、期限は厳守しましょう。

更新日の30日前までに提出をしなければならない更新申請ですが、厳密にいえば、更新日の前日(許可満了日)に書類を提出し受付をしてもらえれば更新ができます。

更新日において要件を満たさない場合は、事前にそのことが分かった時点で行政書士に相談をして下さい。

更新手続きの簡略化と費用を抑える方法

許可更新の際に提出する書類は、新規で許可を取得した際の書類とほぼ同じです。

特段の変更がなければ、同じ内容で書類を作れば大丈夫です。

ただし、住民票や登記簿謄本といった証明書類は、提出日より3か月以内に取得したものが有効となります。

家族で役員をしている場合などは、個人ではなく世帯全員の住民票を一通取得すれば費用も安く済みます。

更新申請には手数料として50,000円がかかります。

自社申請をすれば、ほぼこの金額で抑えることができます。

行政書士に頼む場合は、このほかに報酬代金が発生します。報酬の平均金額は10万円ほどになります。

よって、合計で15万円くらいはかかるものとお考え下さい。

更新手続きの簡略化と費用を抑える「許可の一本化」について見ていきましょう。

許可の一本化

途中で業種追加申請を行った場合、許可番号は同じでも許可日が異なる許可が複数存在することとなります。

通常であれば5年に一回の更新申請で済みますが、上記の場合は許可業種ごとに更新申請が必要になってしまいます。

この時、「許可の一本化」という申請を行うことで、複数の許可を同じ許可日にすることができます。

許可の一本化を行う最大のメリットは、許可日の管理のしやすさです。

許可日の異なる許可証が複数枚あることは、管理も複雑になり、また契約先に書類を提出する際などに作業を増やすことにもなります。

この許可の一本化は少々上級なテクニックが必要ですので、行政書士に依頼をするとよいでしょう。

更新時に行う方法

先に来る許可日の更新に合わせて、後に来る許可日の更新を早く行い一つにまとめてしまう方法です。

この際、手数料は更新の50,000円となります。

後に来る許可日の業種を5年待たずに更新をする考え方です。

例えば、2024年10月1日に更新を迎える土木一式工事の許可と、2026年4月1日に更新があるとび土工工事の許可があったとします。

二枚の許可証がある状態です。

2024年9月1日までに土木一式の更新申請をしなければなりません。

この際、許可の一本化をすることで、土木一式の許可にまとめることができます。

しかし、とび土工工事の許可はまだ1年半以上の許可が残っています。

少々もったいない感じもしますが、管理のしやすさを考えるとメリットにもなるのです。

業種追加時に行う方法

業種追加時に許可の一本化を行うこともできます。

業種追加の許可が下りる日に併せて従前の許可が更新されるという考え方です。

例えば、ちょうど2年後に更新を迎える許可があったとします。

業種追加申請を行うと同時に更新申請も併せて行い、許可の一本化をします。

業種追加申請ですので、許可が下りるまでに標準で30日~60日ほどの処理期間を要します。

この期間を経過し追加した業種の許可日をもって、1年10か月ほど許可期間が少なくなりますが従前の許可が更新されることとなります。

この時かかる費用は、業種追加の50,000円と更新の50,000円の併せて10万円となります。

更新と併せて許可一本化する場合と比べると手数料が高くなります。

しかし、複数の許可を有する期間を持たなくて済むというメリットもあります。

注意点としては、更新するほうの許可の有効期限が30日以上(許可行政庁によっては60日の場合もあり。大臣許可の場合は6か月以上)残っている必要があります。

専門性の高い行政書士に依頼

許可の更新申請は、前回と変更がなければそれほど難しい申請ではありません。

しかし、建設業許可の申請や届出のスケジュールは管理が大変であり、気が付かない箇所で変更届を要する事もあるかもしれません。

また、五年間で法改正があることがあります。

社会保険の加入義務のように、前回の申請では大丈夫であったものが更新時には要件を満たさなくなる可能性もあります。

自社申請だと、重要なことを見落としてしまう可能性も高くなります。

許可が更新できなかったら、事業に大きな影響を及ぼすこととなります。

精通している行政書士であれば、法改正にも適切に対処することができ、些細な点にも注意を向けることができます。

また、百戦錬磨の行政書士はどのような場合にも対応できる術を持っています。

要件にあてはまらなくなる事態を、事前に察知することもできます。

経験の浅い行政書士だと余計に手間がかかったり、その分費用が高くなる場合もあります。

専門性の高い行政書士が身近にいれば、効率よく対応してくれることでしょう。

この記事を書いた人

建設業許可の窓口/行政書士事務所サブシディ運営/建設業許可に関する最新情報を発信中/各種申請手続きのサポートも実施

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